外国人の参政権
【問題】次の文章は○か×か
日本に在留する外国人のうちでも、永住者等であってその居住する区域の地方公共団体と特に緊密な関係を持っている者に、法律によって地方公共団体の長、その議会の議員等に対する選挙権を付与することは、憲法上禁止されない。
≫ 解答・解説はこちら
【解答】正しい
外国人の参政権
憲法第15条第1項
「公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である」
政治に参加するというのは、自分が選挙で選ばれて議員や首長になるか、自分の代わりに議員や首長を選挙で選ぶかです。
憲法15条1項では、この選定・罷免を「国民固有の権利」としています。
「国民」といっても、差し支えない範囲で外国人も含めよう、というのが判例の立場ですが、この参政権は国民主権として、権利の性質上日本国民のみを対象とし、わが国に在留する外国人には及ばないとの立場をとっています。
これだけであれば、あまり難しくないので、出題されることもありません。
例外があるわけです。
定住外国人地方参政権事件
日本に永住資格をもつ在日外国人が、選挙人名簿への登録申し出を、居住地の選挙管理委員会に却下されたため、この取り消しを求めたもの(最判H7.2.28)
訴え自体は、前述のとおり、「憲法15条1項の規定は日本国民のみ対象」として認めませんでした。
しかし、
「わが国に在留する外国人のうちでも永住者などであってその居住する区域の地方公共団体と特段に緊密な関係をもつに至ったと認められる者について、その意思を日常生活に密接な関連をも有する地方公共団体の公共的事務の処理に反映させるべく、法律をもって、地方公共団体の長、その議会の議員等に対する選挙権を付与する措置を講ずることは、憲法上禁止されているものではない。」
つまり、外国人の地方参政権について憲法は保障していないが、だからといって禁止もしない、別途法律で認めることもできる、という主旨です。いまのところ、外国人の地方参政権を付与する法律はありませんが。
【参考】永住者・永住権とは
日本に在住する外国人は、法務大臣により一定の在留期間が区切られ、この在留期間を超えて日本にいると、不法滞在になります。そこで、もっと日本に在留する場合は、在留期間の更新を申請するわけです。
永住者とは、この在留期間を区切られず、永住権を与えられた外国人のことです。
具体的には、日本に一定年数以上在留していることや、日本への貢献度合い、一定年数日本人と結婚している、といった条件があります。
また、特別永住者とは、大戦中から在留している韓国人・朝鮮人・台湾人とその子孫の方たちで、特別な事情で日本に居住していることから、特別な永住者として位置づけられています。
まとめ
- 公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である
- 永住者・特別永住者であっても、憲法上参政権は認められていない
- ただし、地方参政権に限っては、別途法律で付与することも、憲法上禁止されない
類題演習
次の文章は○か×か
国民主権の原則にかんがみ、また、地方公共団体がわが国の統治機構の不可欠の要素をなすものであることを併せ考えると、憲法第93条第2項にいう「住民」とは、地方公共団体の区域内に住所を有する日本国民を意味すると解されるから、法律によって、地方公共団体の長、その議会の議員等の選挙について外国人に選挙権を付与することは許されない。
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
【解答】誤り
≫ 解答・解説を閉じる
2016/07/28