外国人のプライバシー権(指紋押なつ)
【問題】次の文章は○か×か
個人の私生活上の自由の一つとして、何人もみだりに指紋の押なつを強制されない自由を有するものというべきであり、この自由の保障はわが国に在留する外国人にも等しく及ぶと解されるから、在留外国人のみを対象とする指紋押なつ制度は、憲法第13条及び第14条に違反し許されない。
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【解答】誤り
外国人のプライバシー権(指紋押なつ)【総論】
【事例】アメリカ人宣教師が外国人登録の際指紋の押なつを拒否し起訴された。外国人に指紋押なつ義務を課す外国人登録制度は憲法13条及び14条に違反すると訴えたもの
裁判では
「個人の私生活上の自由の一つとして、何人もみだりに指紋の押なつを強制されない自由を有するものというべきであり、国家機関が正当な理由もなく指紋の押なつを強制することは、同条(=憲法13条)の趣旨に反して許されず、また右の自由の保障はわが国に在留する外国人にも等しく及ぶ」
としました。
それならば、外国人のみを対象とする指紋押なつ制度は憲法違反なのか?
外国人のプライバシー権(指紋押なつ)【各論】
一方、同じ裁判では
「在留外国人についての指紋押なつ制度は、本邦に在留する外国人の登録を実施することによって外国人の居住関係及び身分関係を明確ならしめ、もって在留外国人の公正な管理に資するという目的を達成するため、戸籍制度のない外国人の人物特定に最も確実な制度として制定されたもので、その立法理由には十分な合理性があり、かつ、必要性も肯定できる」
として、このケースの事案について、外国人のみを対象とする指紋押なつ制度は憲法違反ではないと判断しました。
キーポイントは「正当な理由」があるかどうか。
まとめ
- 原則:何人もみだりに(正当な理由もなく)指紋の押なつを強制されない自由を有する。これは外国人にも等しく及ぶ
- 外国人のみに指紋押なつを強制する外国人登録制度は、正当な理由があるので、憲法違反ではない
類題演習
【問題】次の文章は○か×か
国家機関が国民に対して正当な理由もなく指紋の押なつを強制することは、憲法第13条の趣旨に反して許されず、また、この自由の保障はわが国に在留する外国人にも等しく及ぶと解される。
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【解答】正しい
【解説】原則論として、「正当な理由なく」指紋押なつを強制されない自由は、外国人にも等しく及ぶわけでした。
外国人だけに指紋押なつを強制する外国人登録制度は、「正当な理由」があるから合憲なわけですが、本問では原則論のみを問うているのです。
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